子どものおねしょ

  • 2017/3/14

子どものおねしょ、どうしたらいいの?

3~4歳になると70%の子どもがおねしょをしなくなるといわれています。しかし、5歳を過ぎてもなかなかおねしょが治らない子どもは、親にとってとても気がかりですよね。
おねしょは親のしつけが悪いから、甘やかしているから、という間違った認識がまだ残っていて、まわりにはなかなか相談しにくいものです。
ここでは、おねしょの基本と生活改善ポイント、おねしょの子どもへの対応をチェックしていきましょう。

1.おねしょと夜尿症の違いは?
おねしょとは乳幼児期の生理的な行為をさすのに対し、夜尿症とは5~6歳になっても月に数日おねしょが続く場合をいいます。夜尿症の場合は、積極的な生活改善や場合によってはお薬を使う必要もでてきます。

2.夜尿症の原因は?
夜中にたまる尿量が多すぎて膀胱からあふれてしまう場合が60~70%、眠っている間に膀胱がふくらみにくくわずかな尿量でもあふれてしまう場合が30~40%です。いずれも、尿があふれそうになっても目が覚めない覚醒障害が元にあると考えられています。

3.夜尿症は放っておいても自然治癒するの?
基本的にはそのように考えられていますが、ごくまれなケースでは、中学生や高校生、成人になっても続いてしまう場合もあります。5~6歳になっても夜尿症が続き、生活改善をしても治癒の見込みがない場合は、医師による治療を受けることが大切です。

4.まずは生活を改善しよう
生活改善を行うだけで、2~3割の子どもが夜尿をしなくなるといわれています。2~4週間かけて改善を行い、それでも効果が不十分な場合は医師による治療を検討すると良いでしょう。

①できるだけ規則正しい生活をする
尿に関係するホルモンは夜11時くらいの深い睡眠中に出ることがわかっています。この時間には熟睡できるよう決まった時間に眠ることが大切です。

②1日の水分のとり方を変える
夕食後から寝るまでの3時間は水分をとらないように、1日の水分摂取の配分を変えてみましょう。どうしても飲みたい場合は、コップ1杯程度か氷1~2個で。

③塩分を控える
塩分のとり過ぎが原因でのどが渇き、結果的に尿量を増やしてしまいます。また、水分をとっていなくても体内で尿量を増やしてしまうので、控えましょう。

④寝ているときの寒さや冷えから体を守る
冷えることで体内で尿量が増え、さらに膀胱を縮めてしまう可能性があります。寝る前にお風呂に入る、布団を温めておく、靴下や下着を重ね履きするなど、体を温めることが大切です。

⑤寝る前にトイレに行く
寝る前に膀胱を空っぽにする意味でとても重要です。子どもが自らトイレに行く習慣をつけましょう。布団に入って1時間たっても寝付けない場合は、もう一度トイレに行かせておくとよいでしょう。

5.子どもへの接し方はどうすればいいの?
夜尿症を治すために家庭で実践したい法則があります。それは子どもの夜尿に対して「怒らない」「起こさない」「焦らない」ことです。

①怒らない
夜尿をするたびに怒っていると子どもは強いストレスを感じ、ストレスが原因でさらに夜尿がひどくなることも。ただ怒らないだけでなく、夜尿のない日や、治療への意欲が行動に現れているときは、思いっきりほめて、自信をつけさせることが大切です。

②起こさない
夜中に起こし排尿させることで夜尿の後始末は楽になるかもしれません。しかし、夜中に起こすことで膀胱に尿をためる習慣がつかなくなり、膀胱の成長を遅らせる原因になるので、治療効果はないと考えられています。

③焦らない
小学生になっても夜尿が続くと親としては内心焦ってしまうのも仕方ありません。しかし、夜尿症は発達の個人差であるため、他の子と比較するのはとても残酷なことです。特にきょうだい内で比較され、からかわれることで自尊心が傷つく子もいますので、焦ることなくじっくり向き合い、さりげなく気を配ってあげることが必要です。

6.おねしょ布団はこうして洗う、乾かす!
洗い方①おねしょ布団にお湯をかける!
40度くらいのお湯をお風呂場などでゆっくりかけ、においが取れるまで2~3回繰り返す。その後タオルでたたくように水分をとる。

洗い方②重曹を使う
おねしょして間もなければ、重曹をふりかけて尿を吸い取る。完全に吸い取ったら重曹をはらい、ビネガースプレー(食用酢と水を1:4で溶いたもの)を吹きつけながら乾いたタオルでたたくようにして水分をとる。

洗い方③クエン酸を使う
スプレーボトルに入れたクエン酸水(クエン酸小さじ2杯と水400ml)をスプレーし、尿のアルカリ性を中和させたあと、乾いたタオルでたたくようにして水分をとる。

洗い方④おむつを利用する
おねしょの部分におむつを当てて足踏みする。その後、40度のお湯で洗い流し、再度おむつを当てて足踏み。

乾かし方①天日干し、ときには丸洗い
しっかり乾かすには天日が一番。または日当たりのよい室内に干すのもよい。シーズンの変わり目にはクリーニングで丸洗いをするとよりすっきり。
 
おねしょ、夜尿症はなかなか周りには相談しづらいもの。決して親のせいではなく、おしっこをためたり作ったりする機能がすこーしのんびりしているだけです。まずは家族みんなで協力して生活改善を、そして医師への相談をして治療へのステップを踏んでいきましょう。
 
記事:一般社団法人うちナース

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